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聖封神儀伝専用 王様の耳はロバの耳

「聖封神儀伝」のネタバレを含む妄想小ネタ雑記。

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風&炎(幼い頃の入浴について)

炎「そういえば、お前が小さい頃一緒に風呂に入ったことがあったよな」


風「えっ(記憶にない。一生懸命探すもない)」


炎「まだとっても小さかったときのことだから覚えていなくても仕方がない。お前はこーんなにちいさくて、ねえさま、ねえさまと……何を赤くなってるんだ? 今なんて入浴どころかもっと好き放題あれやこれやとしてるじゃないか」


風「ちょっと、炎姉さん! こんなところで!」


炎「いいじゃないか、作り話なんだから」


風「えっ、」


炎「何を期待してるんだ。たとえ兄弟と言えど、このご時世に法王が一緒に風呂に入ってやるわけがないじゃないか。ん?なんだ?そんなに期待したのか?ん?」


風「……(どんっと炎を壁に押し倒して)なら今日は、一緒に入りましょうか。背中、流して差し上げますよ」


炎「あ、ああ(どぎまぎして赤くなる炎)」

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風&炎(なんで指輪しないの?)

Message body


風「ねぇ、何で指輪しないの? 首にかけるのはひとつだけでいいじゃない」


炎「……ああ、これか? これはな……(自分の分をはめて見せる)ゆるいからだよ! そうだ、いつか言ってやろうと思ってたんだ。お前、一体どういうつもりでこの大きさにした? どう見てもお前の指輪より太いだろう?」


風「えっ、ああ、握ったときの感触? 自分のは自分の指に合わせて作ったし」


炎「そうか、お前はオレの指がこんなにぷにぷにだというんだな?!」


風「柔らかくて握り心地よかったから」


炎「オレの指はこんなに浮腫んでないっ! いくら夕方から夜だったとはいえ、失礼なっ」


風「わかったわかった。サイズ調整してあげるから、貸してごらんよ(炎の首からチェーンをはずし、指輪を抜き取る。何気なく炎の左指にはめて)ああ、ほんとだ、これじゃあすぐに抜け落ちてしまうね。それじゃあ、指のサイズ覚えておきたいからちょっとかして。(炎の指先を口で食む)(赤面する炎)ん、わかった。これくらいね」


炎「お、お前は、お前はしないのか、これ……(キースの指輪の方を手にして)」


風「二人でお揃いのつけてたら、怪しまれるんじゃない?」


炎「でも、チェーンに通して首にかけるだけでも……」


風「それは君が持っていて(炎の手を押し止める)」


炎「わかった」


 がっかりしたような炎。


 どうして受け入れなかったのか、後になってからわかったことがある。あれはキースが贈ったものであって、おれが贈ったものではなかったから。風であるおれは、表だって炎に指輪を贈ることもできない。


 だからといって、キースのイニシャルが入った指輪で満足できるほど、もうおれは純粋にキルアスだけではなくなっていたんだ。


だから、この後、次第に炎の左手の薬指に光る指輪が鬱陶しくて仕方がなくなっていった。 


聖がいなくなった時の兄弟たちの反応

聖がいなくなった時の兄弟たちの反応。

育「魂は輪生環をくぐっていないから、まだ生きているよ」(育様、そこですか?)

海「あらあら、いなくなったの? 心配ねぇ」(でも積極的に探す気配はない)

龍「……」(またか、と思いつつ、これ以上甘やかすわけには、いやでも心配ではあるが、いやしかし甘やかすわけには……【葛藤】)

炎「聖がいなくなった? 宿蓮、おれちょっと探しに行ってくる! 玄熾! 玄熾はいるか!?」(速攻飛び乗って探しに行く)

麗「は? 聖がいなくなった? それが何か僕に関係あるの?」(お伝えしてすみませんでした)

鉱「なんだって?! そいつは心配だ、マイスイート! 俺様が今すぐ見つけ出してやるぜ! 秀稟、カモーン!!」(速攻飛び乗って探しに行こうとするが、秀稟は買い物中で不在だったりする)

風「あの子はまた、人を試すようなことをして! 龍兄さんが叱らないなら、いいです。僕がちゃんと言って聞かせますから!」(バタバタと探しに出る)

統仲王「何? 聖が行方不明だと? パドゥヌは何をしていたんだ。探せ! 傷一つでもついていたら許さぬぞ!」(でも自分は政務優先)

愛優妃「あの子が行方不明に? 大丈夫よ。私にはあの子の居場所くらい、ちゃんとわかっているから。ほら、ここよ、ここ」(闇獄界製GPSと神界上空レーダーにより、すでに居場所が壁面に映し出された地図に赤く点滅している)

 聖が愛情を試しちゃう理由が、なんとなくわかる。
 一番深くて重い愛は、愛優妃だったということを、聖が知ることはない。

リセ、母心(遥道2-1)

「いきなさい、キルアス!!!」
 思い切り叫んでいた。
 あの子が戻ってこようとしていたから。
 優しい子だということは、私が一番よく知っている。
 その優しさに何度助けられ、何度騙されるのではないかとはらはらしたことか。
 できることなら、皇子などという立場のある身ではなく、普通の男の子として育てたかった。
 そうすればきっと、疑うことを知らず、まっすぐ人を信じられるとてもいい子になったでしょう。
 それだけではこの世界は生きていけないというのなら、この世界が間違えているの。
 いいえ、きっと信じることだけでもこの子なら十分、円満に生きていくことができたでしょう。
 いらぬ猜疑の種を植え付けてしまったのは、私。
 もっと早くに、この子がお腹の中にいるうちに、あんな場所は出てしまうべきだった。
 地位には未練などない。
 ただ、あの男は――生涯ただ一人だと、思ってしまった。
 本当はもっと私にふさわしい身分と優しさを持つ男がいたのかもしれないのに、あれだけ数多の男を見てきておきながら、あの男だけだと思ってしまった。
 叶えてはいけないわがままを、彼の甘言に見て見ぬふりをしてたくさんの人を傷つけてここまで来てしまった。
 かくなる上は、キルアス、よく聞きなさい。
 お前は幸せに生きなければダメ。
 地位など捨ててしまいなさい。貴方の人生を担保するものにはなりえないから。
 エマンダへの憎悪も捨てなさい。
 間違っても、この自分のわがままで身を滅ぼす母のために復讐しようなど思わないことです。
 エマンダ、あの女(ひと)はあの女で、いろいろと辛い思いをしてきているのです。
 だから許してあげなさい。
 もしどうしても復讐したいというのなら、生きることです。
 生きて、生きて生きぬいて、笑ってあの女にいつか再会してやりなさい。
 あなたの差し向けた刺客は、意味のないものでしたよ、私は今こんなに幸せなんですよ、と、老いたあの女に言ってやりなさい。

 キルアス、優しい子。
 振り返ってはいけないと言ったのに、振り向きましたね?
 何があっても戻ってはいけないと言ったのに、私が生きていると見るや助けに来ようとしましたね?
 貴方のその優しさが、いつか自分の身を滅ぼしてしまいませんように。
 身を守るために身に着けたその猜疑心と優しさの狭間で、苦しむことがありませんように。

 さあ、行きなさい。
 母の幸せは、貴方の幸せです。
 生きなさい、キルアス。

鍛冶屋の奥さんマーサ(遥道2-1)

夫が拾ってきた金髪の見目麗しい子供を見て、あたしはいっぺんでこの子が大好きになったね。
 夫に言ったら怒られるかもしれないが、あと十年若かったら恋人になりたいくらいだった。
 ああ、かわいい。息子にしたい。手の届くところで育てたい。
 急にむくむくとそんな心が芽生えたのさ。
 しかも、目が覚めて頑としてものを食べない何も喋らないこの子を見て、これはとんだ高貴な血筋の子に違いないと思ったのさ。気位の高い王子様だ、と。
 それなら、今まで凝ってきたその猜疑心を融かしてやらなきゃならないわって。
 世の中、そう捨てたもんでもないんだよって、教えてやりたかった。
 自ら味見をして毒が無いことを指し示し、まぁきっと
自分で飲みなといっても飲まないだろうからね、無理矢理口を開けさせて流し込んでやったのさ。
 使っているスプーンが夫の作った銀製のものだったことも幸いしたようだね。
 あの子は注意深くスプーンを見つめてから、後は為すがままにされていたよ。
 可愛かったね。あの反抗的な目も、傷心で孤独を深めている様も。
 守ってやらなきゃならないわって、思ったんだよ。
 いずれ、本当のご両親にお返しする日が来たとしても、ね。
 きっとこの子は神様があたしたちにお与えくださった宝物なんだと思った。

 あの子は、自分を疫病神だと思っているかもしれないけれど、たとえ殺されたって、お前のことは守ってやりたいと思っていたんだよ。
 こんな綺麗な子供が捨てられてるなんて、訳ありにちがいないじゃないか。
 夫が拾ってきたときから、覚悟は決めていたんだよ。
 だからね、苦しむことはないんだよ。
 子供は守られて当たり前なんだ。
 あんたこそ、今までよく頑張って生きてきたね。
 甘えていいんだよ。
 私たちの命が短くなったって、自分のせいだなんて思わなくていい。
 あんたを拾って育てることに決めたのは、このあたしたちさ。
 あんたはその分、夫とあたしの二人だけでは叶えきれなかったたくさんの夢を叶えてくれた。
 あたしたちはそれだけで、もう十分なくらい幸せなんだ。

 だから、キース、幸せになりなさい。
 復讐なんてしてないで、あたしたちの余生だった分まで幸せに生きなさい。
 忘れろって言ってんじゃないよ。
 乗り越えろって言ってんだよ。
 ねぇ、王子様。
 あたしたちはね、一時でもあんたに「父さん、母さん」って呼んでもらえて、本当に嬉しかったんだよ。照れながらでも、ちょっと義務感を感じながらでも、呼ぼうとしてくれたその気持ちが本当に嬉しくて、本当はちょっと、どうしてこの子はあたしたちの本当の子じゃないんだろうって、思ってしまったくらいなんだ。
 血筋なんてって思うかもしれないけれど、ああ、もちろんあんたをあたしたちの子じゃないって思ってたわけでもないけれど、あたしたち親だって、あんたの後ろに本当の両親の影を感じないわけじゃないんだ。
 きっと、大事に育ててくれた人がいたんだって、あんたを見てれば思わずにはいられないんだよ。
 ね、キース。
 幸せになりなさい。
 あんたは、幸せになっていいんだよ。
 あんたの本当のご両親も、心からそう思っているはずだ。
 だからあんたを逃がそうと、必死だったんだろう?

 大人になったらね、きっと分かるよ。
 あんたの歩むその道が、たとえ茨に覆われていたとしても、歩み続ければ必ず先は開ける。
 茨はあんたに傷をつけて血を流させるかもしれないけれど、それでもくじけずまっすぐに歩み続ければ、いつかその先にはあんたの求めるものが待っているはずだ。
 歩みを止めてはいけないよ。
 行きなさい。
 歩きなさい。
 生き、つづけなさい。
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自己紹介:
ユジラスカの館で「聖封神儀伝」を連載しています。
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