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風「ねぇ、何で指輪しないの? 首にかけるのはひとつだけでいいじゃない」
炎「……ああ、これか? これはな……(自分の分をはめて見せる)ゆるいからだよ! そうだ、いつか言ってやろうと思ってたんだ。お前、一体どういうつもりでこの大きさにした? どう見てもお前の指輪より太いだろう?」
風「えっ、ああ、握ったときの感触? 自分のは自分の指に合わせて作ったし」
炎「そうか、お前はオレの指がこんなにぷにぷにだというんだな?!」
風「柔らかくて握り心地よかったから」
炎「オレの指はこんなに浮腫んでないっ! いくら夕方から夜だったとはいえ、失礼なっ」
風「わかったわかった。サイズ調整してあげるから、貸してごらんよ(炎の首からチェーンをはずし、指輪を抜き取る。何気なく炎の左指にはめて)ああ、ほんとだ、これじゃあすぐに抜け落ちてしまうね。それじゃあ、指のサイズ覚えておきたいからちょっとかして。(炎の指先を口で食む)(赤面する炎)ん、わかった。これくらいね」
炎「お、お前は、お前はしないのか、これ……(キースの指輪の方を手にして)」
風「二人でお揃いのつけてたら、怪しまれるんじゃない?」
炎「でも、チェーンに通して首にかけるだけでも……」
風「それは君が持っていて(炎の手を押し止める)」
炎「わかった」
がっかりしたような炎。
どうして受け入れなかったのか、後になってからわかったことがある。あれはキースが贈ったものであって、おれが贈ったものではなかったから。風であるおれは、表だって炎に指輪を贈ることもできない。
だからといって、キースのイニシャルが入った指輪で満足できるほど、もうおれは純粋にキルアスだけではなくなっていたんだ。
だから、この後、次第に炎の左手の薬指に光る指輪が鬱陶しくて仕方がなくなっていった。