普通なんかじゃないよ。
会いたかったよ、みっちゃん。
わたし、嘘ついちゃったね。
でもね、言わないって決めてたの。
わたしは、あくまで緋桜様の一部としてみっちゃんの側にいるの。
みっちゃんがどんなことに巻き込まれるかなんて、あの時わたし知らなくて。もちろん、知りようもなかったんだけど。
それでも、わたしがみっちゃんを守るために役に立てるならって。
また、わたしがみっちゃんの隣で笑うことができるならって。
わたしはね、できるだけ普通の高校生活をみっちゃんにしてほしいと思ってたんだ。だからできるだけ緋桜様のことも黙ってようと思ってたの。
ほんとは……わたしがみっちゃんと一緒にいたかったんだ。
緋桜様はわたしとは違うもの。
わたしはやっぱりどこまでいっても、ただの人間なの。
でも、ただの人間としての幸せを今はすごくかみしめてるから、みっちゃんにもそのままでいてほしかったんだ。
大丈夫。ちゃんと守るから。倒れそうになっても落ちそうになっても、緋桜様が羨ましいとか言ってないで、ちゃんと緋桜様のかわりにみっちゃんのこと助けるから。
緋桜様はね、ほんとは今、ずっと眠ってらっしゃるんだよ。
時を巻き戻したときに、やっぱりかなり消耗してしまって。
国政は飛嵐様が見てるから大丈夫。心配しないで。
聖刻の国で樒に時の実を渡した時は、それを渡すためだけに無理をして起きてきてくださったの。身体はすごく辛かったと思うんだ。
でも、それもこれも緋桜様もみっちゃんのことが大切だからだよ。みっちゃんに会いたかったからだよ。
みっちゃん。
緋桜様が全快するまでは、わたしがみっちゃんのこと守るからね。
だから、もう少し一緒にいよう?
ね?
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