出て行こうとするサザの背を追いかけて一歩だけ足を踏み出し、立ち止まる龍。
龍「待てよ、サザ!」
立ち止まらずすたすた歩いていくサザ。
龍「待てよ! ……アラベル。アラベル・ミ・サリーン」
立ち止まるサザ。
龍は部屋のソファから一歩立ち上がったままその場から動かない。
サザ「なんだよ。……なんだ、知ってたのか」
龍「俺が嫌いなら嫌えばいい。恨めばいい。憎めばいい」
サザ「嫌いだよ。恨んでるよ。憎んでるよ」
龍「それならとっとと俺のこと……殺せばいい」
サザ、表情を険しくして後ろを振り返り、龍の元まで戻り、胸倉を掴む。
サザ「殺せばいい、だって? 殺される覚悟もできてないくせに、ほしいのはただの許しか? 見損なうな。俺はお前を殺さない。殺したら、もうお前の困る顔が見られなくなるからな。わかるだろ? 俺の楽しみ。俺はお前のその悲痛に歪んだ顔が大好きなんだ。だからお前のことなんか殺さない。殺してなんかやらない。感じる心と体残したまま、永遠に苛んでやるよ。今回みたいにね」
サザ、龍をソファに投げ捨てて部屋を出て行く。
龍「それなら俺だけにしてくれ。……俺だけに」
龍、頭を抱えたままソファに顔を埋める。
龍「もう、聖を傷つけないでくれ……」
サザと聖の事件後?
その前段?
思いついた台詞、メモメモ。
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