帝空神の食べられないもの=肉
空「お肉……はね、ちょっと、ね。だめだね。かわいそうで。もとはなんという動物だったんだろうとか、どんな暮らしを送っていたんだろうとか、最後はどんな気分だったんだろうって考えると、私はね、やっぱり口にするのは憚られるんだよ」
泉「ならどうして食物連鎖なんか作ったんですか?」
空「うっ……だってほら、使い捨てって流行らないだろう? 今は持続可能な社会とか循環社会って言われてるじゃないか。その先駆けとしてだね……」
泉「なるほど! 社会がようやく帝空神様のお考えに追いついてきたんですね。命も循環する世界。それこそが理想ですよね! よろしいことだと思います。そもそも帝空神様はこの世界の創造者様ですもの。食物連鎖の外にいらっしゃる方ですもの。このような質問をしたわたくしが愚かでございました」
空「いや、別にそこまで感極まらなくてもいいんだけどね」
泉「いいえ! とても勉強になりました!」
空「(ぼそっと)素直というか盲目というか……このままで大丈夫だろうか……」
(現代)
樒「夏城君はお肉食べられるの?」
星「肉? 普通に食うけど、なんで?」
樒「(あ、食べるんだ)ちょっと、今度バーベキューでもやろうかって葵たちと話していて、よかったら夏城君たちもどうかなって」
星「いいね、行く行く。俺、牛肉が食いたいな。家だとなかなか食えないから。ラムも癖あるけどうまいんだよなぁ」
樒「(食いつきがよすぎる……夏城君、本当に帝空神様なのかな)じゃあラムもお買い物リストに入れておくね」
星「ああ、楽しみにしてる」
樒「(ぼそっと)帝空神様じゃないかも……」
星「何か言ったか?」
樒「う、ううん、なんでもない」
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