麗とカルーラ。
カルーラは麗の中でも暗黒史の極みというか、歴史にも刻まれないほど虚ろな時間をともにした人。
麗ちゃんに抱かれる度、嬉しかった。
麗ちゃんが求めてくれればくれるほど、嬉しくて嬉しくて――たとえそれが、僕に向けられた恨みと憎しみとエルメノを失った悲しみだけだったと分かっていても、僕は嬉しかった。
闇で生まれた存在だからかもしれない。
だから、麗ちゃんが僕に向けるあらゆる負の感情が僕には愛おしくて仕方ない。
もっと傷つけていいよ。
君が僕に痛みをくれなきゃ、僕は生きている意味がない。
君が僕を苛む時だけ、僕は生きている意味を実感する。
僕は君の愛したエルメノにはなれないけれど、君の空っぽな感情を流し込むだけの容れものにならなることが出来る。
僕が君からエルメノを奪った罪は、一生消えない。
君が望むように償うから、どうか僕を無視しないで。
僕がここにいる意味を教えられるのは麗ちゃんだけ。
でも、もう抱かないで。
これ以上繋がっていたら、僕の罪で君まで闇に穢れてしまうから。
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