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聖封神儀伝専用 王様の耳はロバの耳

「聖封神儀伝」のネタバレを含む妄想小ネタ雑記。

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アイカの話(1-2-4)

アイカの話はずっと、それこそ記憶の扉の連載を始める前くらいに麗の番外編としてノートに途中まで書きとめていて、聖視点ではあったけれど、ようやくこっちで書くことができました。

「槐、遥けし」というタイトルの番外編だったんですが、今回光の話を書き直すにあたって、麗の過去はここで書きとめた話を中心に進めて行こうと思ってます。(なんてここで宣言したって私以外誰も意味わかんないじゃんね)

アイカという子はいつもにこにこへらへら笑っている子で、そのくせどこかお母さんぽさがあったり、少女らしい純粋で頑ななまっすぐさがあったり、とても好きな子です。
あれ、こんなこと前も書いたっけ?

今回のアイカの原罪はアイカ視点でぜひ手のひら篇で書きたいなと思っているんですが、聖封伝の先を急ぐか、こっちのブログ番外編を増やすか……とりあえずあらすじは聖視点で書いてしまったので微妙なところです。
<悔恨>の獄炎と仲良しだったとは思わなかったけどね。

聖の話には出てなかったけど、アイカのお父さんとお母さんは学校の先生です。家にはたくさん本があって、アイカはそれで勉強して弟妹達にも家事の傍ら読み書きを教えていました。
保育士さんタイプなイメージです。
働き者だし、明るいしで村人達からも好かれており、ちらほら思いを寄せる若者もいたよう。
でも、その辺はアイカは疎かったようです。
小さな共同体の中で生まれて、そのまま出ることなく死ぬはずだったのに、運命は捻じ曲がりに曲がって、ひねくれ者が住む北の極寒の地へ。それはもう、かの有名な刑務所へ移送されるが如くです。

アイカが馬鹿みたいに明るい笑顔が出来るようになったのは、カルーラと旅する間のこと。
離宮で療養していた一ヶ月間は笑顔も何も、表情さえ乏しく死人のようだったといいます。
だけど、カルーラとの二人旅の中で、カルーラはひたすらアイカを気遣い、心配をかけたくないアイカは、辛い時ほど極上の明るい笑顔が出来るような演技派になってしまったのです。
笑顔が仮面になってしまっている人、ゲストじゃなくてもそういえばいますねぇ。
それは(こわいから)おいておいて。
笑顔の仮面で三年間麗に仕えつづけた結果が1-1-6という・・・法王を尻に敷くほどに成長したアイカ。
さて、麗はそんなアイカの仮面に気づくのでしょうか?
まぁ、うっすら本能で同じ罪人同士何か通じるものを感じているかもしれませんが。

すっかり光の話というよりアイカの話になっちゃってるよ、鏡幻の魔術師(笑)
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予定、たてたのにな(1-2-1~1-2-2)

やっぱり予定のメモどおりには進まないものらしいです。
今回はまだ大きく脱線したんじゃなく、節が伸びてしまったくらいなのですが。
うん、それならいいか、とちょっと自分に寛容になってみたり。 

早くも、というか、別なモブっぽい人物を思い浮かべて台詞を聞いていたら、何と禦霊さんが出てきてしまいました。
思ったよりも性格が悪いっぽい。
この先どんな人になるのか楽しみです。 

そうそう、樒の弟も大活躍。もはやどっちが主人公か分からない(笑) 
洋海がいなかったら、今頃光の物語は終わりになってただろうね。
バッドエンドかって言われれば、光にとってはありがたい終わり方なのかもしれないけど、でも眠ったところを闇獄界に落とされてますからね。
ただじゃすまないわけです。 

ぜひ姉の樒のほうにもがんばってもらいたいところですが、彼女がちゃんと記憶を取り戻すのは一体いつになることやら。
記憶がないと思い切った戦闘に配せないので目立ち度が減少します。
そこがこの主人公、ネックなんだよなぁ。 

よし、とりあえず愚痴ったことだし、また今度の土日辺りを使って2-2の魔麗城編を行きたいと思います。
 ああ、そういや老女にしてしまったぁぁぁぁ・・・。理由付け微妙なのに・・・。

カルーラ ―罪を抱える者

麗とカルーラ。
カルーラは麗の中でも暗黒史の極みというか、歴史にも刻まれないほど虚ろな時間をともにした人。

徒労に終わるんじゃないかという不安は置いといて

光篇のあらすじを作ってました。
今書きかけているところの続きが続かなくて、意を決して行き当たりばったりをやめて大体の流れを作ってみたら、あらまぁ、日曜休日が終わってしまいました。。。

前世篇を効果的に織り込もうとするとなかなか難しくて。
もっと衝動的に聖のちび篇とか書きたい・・・このままじゃちび篇書けるのは星篇まで待たなきゃなんないじゃん~。

光に主眼を当てると、樒をどう動かすかというのもまた難題で。
昔はよく何も考えずにばらばらに書いていたものだ。
必然、出番が減るわ減るわ(笑)
星との恋の進展、というか、恋の芽すら芽ぶかなそうで・・・いやはや。
焦る必要はないけれど、主人公だしなぁ。

さらに問題は、徹と宏希が本番で出てこなそう。樹にいたっては全く出番なさげ。
てか、樹はこっちに越してきているんだっけ?
詩音も今回は理科室以外は出なそうだし、維斗も裏で暗躍してるのは分かってるんだけど、一人称の関係上でてこないという・・・。



さてさて、久しぶりにルーズリーフにシャーペンもって書きなぐってたんですが、1年ぶりに文字をたくさん書いたら、右人差し指の方向?が変になりました。
でも、書きなぐったほうがパソの前で凝固してるよりまだましっぽいです。
ネットはなれられるしね。
問題は、「冰麗の国」とパソ版ではやってるのに、何も考えずに突っ走ってると全部「魔麗城」と、初期の名称で書かれていたことです。

というわけで、おそらく次に時間があるときは「冰麗」をやめて当初の「魔麗」に戻ってる可能性があります。
もう、「魔」の字の意味が悪かろうと何かろうと、不思議な力だということでいいでしょう。
おそらく、初期設定に戻せば自分の中の違和感も消えるに違いない。もういい、きにしないです。
風和法王も慣れなきゃ初期設定に戻すか・・・風波法王にさ。
氷の字にしても、波の字にしても、いずれも「水系」のイメージになってしまうのがマイナスなんですよね。
風和は定着してほしいものだ・・・そのために「フウワ」と音を同じにしたし。

なんともご迷惑極まりない話ですが、ごめんなさいです。

未来を求める者

サヨリが亡くなった後、見舞いに来た聖に対して。

 鉱兄様は開け放った出窓の縁に腰掛け、肩膝を抱えて睨むようにオアシスのはるか彼方を見つめていた。
「鉱兄様……」
 サヨリさんという、おそらくこの世でただ一人の運命の人を失って、老いゆく指標を失ったかのようだった。その姿は、息子である錬と兄弟としか思えないほどに若い。
 いつもはつらつと冗談ばかり言っていた鉱兄様。サヨリさんと結婚してからは、周りも驚くほど落ち着いてしまったけど、それでもいつも笑顔だけは昔のまま明るく、力強く、優しかった。
 人となど結婚しなければよかったと思っているだろうか?
 一人の人を愛しすぎなきゃよかったと思っているだろうか?
「後悔、してる?」
 何と言葉をかけたらよいのか分からないながらも口から出てしまったのは、そんな後ろ向きな言葉。
 時が戻せたらやり直せるのに。
 何か嫌なことがあれば、誰だってそう思う。
 誰だって、私の元を訪れる。
 時を戻してくれ、って。
 静かに顔を上げた鉱兄様は、闇の深淵を抱え込んだような目で私を睨みつけた。
「後悔? 何にたいして? ここに戻ってくるのが遅れたことに対して? サヨリを守りきれなかったことに対して? ヒハルを守りきれなかったことに対して?」
 若返った声は長年聞きなれてきた声のはずなのに、たった二十年ばかり聞かなかっただけでやけに違和感があった。これほど沈んだ声を聞いたことがなかったからかもしれない。
 人であるサヨリさんの寿命は短い。人として生まれたからには人として死にたい、と永遠の命を拒んだ彼女と添い遂げることは、永遠の命を持つ鉱兄様にとっては刹那の戯れにしか過ぎないと、結婚当初はよく言われていた。それでも、年齢を留めることをやめて、サヨリさんと共に時を歩みはじめた鉱兄様の時間は、私たちから見てもとても刹那とは思えないほど毎日が充実していて、とても楽しそうだった。それでも、いつかは愛する人を看取る日が来る。それさえも覚悟して、鉱兄様はサヨリさんと一緒になったのだ。
 だけど、それは安らかに逝く姿だったはずだ。
 闇獄兵に傷だらけにされ、赤い血にまみれた姿ではなかったはずだ。
 大好きな鉱兄様。
 できることなら、望む時まで時間を戻してあげたい。
 鉱兄様だって思っているに違いない。時を戻してくれ、って。
「聖。馬鹿なこと考えるなよ。俺様はお前に時を戻してほしいなんて思っちゃいない」
 私の思考を見抜いたように、鉱兄様は荒んだ目をしたままではあったけれど、困ったように頭をかいた。
「そんなことしたってどうにもならない。それよりも……」
 そんなことしたってどうにもならない。
 その通りだ。私は結局時を戻すことすら出来なかった。もし戻せたとしても、今思えば同じ道を辿っていたかもしれない。未来を知らないまま過去を変えようとしても、何も変えることはできないのだから。
「それよりも?」
「いや、馬鹿は俺様のほうか。俺様は大馬鹿者だ。なのに、誰もそう言ってくれない。誰も、俺を非難してくれない。俺が悪かったのに。周方の前線を守ることばかりに気をとられて肝心の自分の城を守れなかった。いくらでも気づけたはずなのに、俺様は全部そのサインを見逃してしまった。馬鹿だろう? 大馬鹿者だろう? なのに、どうして……あの錬だって母親殺されたのに何も言わないんだ。自分だってあれだけ怪我を負ったのに、馬鹿親父ってさえ言ってくれないんだ……妙に気ぃつかって笑うんだよ、あいつ。親に気使う子供がいるか? こんな情けない父親、いくらでも面と向かって詰ってくれればいいのに……その方がどれだけ楽か……」
 自分で自分を非難するには限界がある。その限界に鉱兄様はぶつかっているのだろう。それ以上はもう、自分を許すことでしか生きていくことは出来ないのに、まだ足りないと自分を責めている。
「もう、いいよ。もういいでしょう? 鉱兄様。これ以上責めないで。もう、十分だよ」
 肩を抱きしめたわたしをやんわり引き離して、鉱兄様はじっと私を覗き込んだ。
「十分? サヨリがそう言ったか? もういいって、サヨリが言ったのか? ヒハルが言ったのか?!」
「……鉱兄様……」
「聖、だめだ。だめなんだよ。俺様たちのこの力は、自分を幸せにするためのもんじゃない。人を幸せにするための力だ。世界を支えるための力なんだ。間違えちゃいけない。間違えちゃ……」
 言い聞かせながら、泣きそうになった鉱兄様は私の肩に額を預けた。
「泣いていいよ? 誰にも言わないから」
「お前は強いな、聖。俺様が時の精霊の契約者だったら、絶対自分のためにその力を使っていた。またサヨリと出会えるのかと、未来を覗き見に行ってしまうところだった」
「未、来?」
 思っても見なかった言葉に、私は目を見開く。
「サヨリはずっと言ってた。自分はいずれ死ぬから、何があってもけして過去を見るなって。だから、俺様は過去を見ることも変えることも許されない。もし、どこかを変えてしまったら、今までの俺様たちの記憶はどうなる? 大切な思い出はどうなる? 俺様は一つでも欠けるなんて我慢できない。どの時間も犠牲には出来ない。大切にしてきた時間を差し出さなきゃならないくらいなら、俺様はサヨリに逢える未来を見たい」
 ふっと、思わず私は口元を緩めた。
 鉱兄様だと思った。
 どこまでも現在に誠実な人。おそらく、兄弟の中で一番曲がったことが嫌いで、真っ直ぐな心を持ったまま大人になった人。一番、人に近い人。
「大好きだよ、鉱兄様」
 私はそっと鉱兄様の頭を撫でた。
「きっと、きっとだけどね、鉱兄様は……」
 私は未来も知っている。有極神の描いた未来だけれど、変えるつもりではいるけれど、でも、今のところその未来へと向かっていることは間違いない。その未来で、鉱兄様は……鉱兄様の魂は、またサヨリさんの魂と出会う。
「言うなよ。知りたいけれど、未来は言うな。もし、サヨリの魂とまた出会える日があったとしても、俺様はもうその人をサヨリと呼ぶことはできない。気軽に抱きしめることもできない。俺様はもう二度と、サヨリには会えないんだ。それくらい分かってるから、勘違いさせるくらいなら何も言ってくれるな」
 言いかけた口を噤ませるように、鉱兄様は言い募った。
 出会えるときは、もう鉱兄様はその名では呼ばれなくなっている。同じ人間として人界に生まれているんだよ。
「言うな、聖。大丈夫だから。未来を聞いて、今を変えてしまうことのほうが俺様は怖いんだ。もしかしたら遠くない将来、また会えるかもしれないチャンスをみすみす潰すことになったら、俺様はどんなに後悔してもしたりなくなっちまう。それくらいなら、そっとしておいてくれ……」
 鉱兄様はどこかにふれてしまいそうな精神を、必死で立て直そうとしていた。
 だけど、鉱兄様にあの真夏の太陽のような笑顔が戻ることは、もう二度となかった。
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