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聖封神儀伝専用 王様の耳はロバの耳

「聖封神儀伝」のネタバレを含む妄想小ネタ雑記。

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炎の夢 葵の夢

炎ね、お母さんみたいなお母さんになる!


まあ、それは嬉しいわね。炎はよく手伝ってくれるもの。きっとよいお母さんになるわ。



予言書により将来が決められているとも知らず、無邪気に将来の夢を語る母娘。


いいお母さんになる。


そんな夢とも言えないくらい些細な気持ちをどこかへやってしまったのは、いつのことだろう。
火炎の国の所領を拝したときだったか。
母、愛優妃が頻繁に家を開けるようになってからだったか。


夢は忘れ去られ、今生、二度と叶うこともなくなってしまったのだった。

そんな思いを引き継いでいたんだろうか。

ただいまー


帰っても誰もいない家のドアを開ける。


蒼也は保育園。お父さんとお母さんとおじいちゃんたちは仕事。お兄ちゃんたちとお姉ちゃんはまだ学校で。


帰ると、玄関の扉を開くのは、いつもあたしの仕事だった。
雨が降ろうが、雷が鳴ろうが、誰も飛んでかえっては来ない。

だからあたしはもう一度外に飛び出す。

今度こそ誰かのお帰りなさいを聞くために。
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はずかしい(2-1-3)

長らく放置しておりました紅蓮、始動しました。
もとあった文章を活用したので、一日一章。
例年にないハイペース。
でもきっと明日からはペース下がります。

というか、若かりし日の炎とキースの話を書いていて、色っぽいシーンよりも赤い実はじけた的なシーンの方がめちゃくちゃ書いていて恥ずかしいことに気づきました。
もう頭の中少女マンガのコマ割りがみえてましたよ。
ほんとはずかしかった。

炎のはなし、例のときとは違って時系列で追っていくことにしたので、やっぱり書いててキースの話とかはしおっていたような気が。
昔はランダムですきほうだい書いていたから長く感じただけかしら。
でもあのままラブラブエピソードを二つ、三つと連続で読ませても飽きるだけかと思い、はじめのひとつだけにしました。
包帯エピ、意外とどきどきするもんですね。
足から巻きなおさせたのはわざとです。

そうでなくても結構ありえない状況だというのに、もう少し警戒心持てよ、炎。
あ、神界だから悪い人はいないことになってるんだっけ。
いいんです、ラブラブエピソードは恥ずかしいくらいがちょうどいいんです。
これから先はツンデレな愛情表現しかできないんだから。

手探りで書いているときよりもライトに甘めになり、さらに軽量化されましたが、ラブラブシーンは短い方が心臓に優しいと思います。

財と法

龍と炎、それぞれ財相と法相に任じられた成神式後、柱廊にてすれ違い様。


龍「俺は炎が法相でよかったと思っている」

炎「え…」

龍「俺は城の中のことしか知らない。俺の作った法は理想を詰め込んだだけのもので、現実とは解離してる部分も多いだろう。そのままじゃただの木偶人形のようなものだ。俺があの法を運用しても、法に縛られるあまり、公正な裁きはできなかっただろう。だが炎、現実に人々の声に耳を傾けてきたお前なら、法をうまく使って人を活かす裁きができるだろう」

炎「そう、だろうか。あたしなんて遊び回るばかりで、法なんて学ぼうともしなかった。それどころか国さえも宿蓮に任せっきりで…今さら世界の仕事は荷が重い」

龍「炎が俺の作った理想に血肉を与えてくれる。楽しみにしてる」

炎「龍…」


炎の傍らを通りすぎていく龍。


一呼吸おいて振り替える炎。

炎「ありがとう、龍」



成神前から龍は法律家として法を研究し、統治のための法律をいくつも作っていた。
対する炎は勉強嫌いで外で遊び回ってばかりいたため、いささか世界の仕事は荷が重いと感じていた。
そこに、できる双子の兄が作った法の運用者である司法を任されたのてある。
不安となぜ龍ではないのかとの疑問がずっと頭から離れないでいた。


統仲王は神界の財政と法律、どちらをどちらに割り当てるか考えたとき、法に精通している龍をあえて人を裁く立場となる法相からはずし、手堅さが活かされる財相に任じた。
理由は龍の読み通りである。
己の作った法を正当化しようとするあまり、人が見えなくなる可能性を忌避したのである。


書き直し中

紅蓮、序章から書き直し中です。

いつものことですが、序章できたら一章は引っ込めて書き直しを出していく形となると思います。


実はまだ全貌が見えないんですが、とりあえず、今あがってるのはなんか違う…ということで。


ヨジャの過去篇、そのうちのせたいな。

猜疑

俺の、正義?

俺の正義は、偽りに満ちたこの世界に住む人々に負の感情が当たり前にあることを教えること。負の感情を認めさせること。
己の心に素直に生きられる世界こそが、理想の世界であることを神に認めさせること。
正の感情しか認めない神に過ちを認めさせること。

そのためならば、この魂、闇の業火にくべることも惜しくはない。



こうして己の正義に基づいて猜疑となったヨジャは、しかし長年炎に身も心も焼かれ続け、神界は間違えているという言葉だけが正義の中で残り、猜疑の炎が惑わしに囁く、
みんな誰も信じちゃいないのさ。他人も親も兄弟も友人も恋人も、果ては自分自身さえな。
信じられないなら確かめてみればいい。
ひとつ猜疑の種をまき、それでも人は人を信じかばいあえるものなのかを。

ヨジャは業火にいう。

そんなことはとっくの昔に試したことがある。
街ひとつが灰になった。
ははっ、さすがにお前は賢い。俺の器になるだけのことはある。
だが、今と昔ではまた人の気質も変わってきているかもしれないだろう?
もしかしたら、やつらは進化したかも知れない。
どうだ? 試してみないか?

人はさらに愚かになったのか。
裏切られるのは誰しも怖いものだ。それは今も昔も変わらない。
人は昔よりももっと信じることに臆病になっているかもしれないな。


お前こそ耳さわりのいい言葉ばかりならべて、いつ俺を食うつもりだ?


食っては俺は外に出られなくなる。
だからお前は俺に負けてくれるなよ。


猜疑。
お前は…悪なのか?
弱きものが己が身を守るためには、疑うことも必要なのだ。
俺は、お前が悪いだけのものには思えないのだ。


度が過ぎれば、何事も悪となる。
愛も夢も希望も、重くなればただの欲望だ。
白黒つける女神の天秤があることが間違いなのさ。


女神の天秤の存在が…
ならば、女神の天秤を破壊してしまえば、この世は生き易くなるだろうか。


そうだな。火炎法王の炎の魔宝石がその天秤の原型だという。
それさえなくなれば、人は善悪をジャッジされることもなく、己の感情に素直に生きられるようになるかもしれないな。



そうか。火炎法王の魔宝石、か。



これは炎の誘導に引っ掛かった。
猜疑は炎の魔宝石に縛られているので、なくなれば、猜疑は自由になれる。
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和泉有穂
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自己紹介:
ユジラスカの館で「聖封神儀伝」を連載しています。
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