海、龍の後を追ってorルガルダの森の調査を愛優妃から依頼されてこっそり入り込んだところ、龍がアイリーンとユジラスカの花を眺めながら仲良く談笑しているところを見かける。
「ああ、もう自分は彼の中で過去になってしまったんだ」
と、噴きあがる思いに蓋をして、顔をそむけ、だけどその場からなかなか立ち去れずにいる。
そんな様子を、海がルガルダの森に入っていくのを不審に思ってついてきた麗がさらに見ている。
そして気づく。
焦がれた海がもういないのだと。
さらに、不謹慎にも、違うと気づいても、耐え忍んでいるこの人が美しいと思ってしまう。
いずれ、海への想いは憧れにすぎなかったのだと思い知る。
高みにあるこの想いは、きれいなまま傷つけずにとっておこうと決める。
いつしかその想いは同情というものに劣化あるいは昇華され、再び木沢光の中で恋と憧れの香りがするものとなって桔梗に向けられるようになる。
同情が近いのかもしれない。
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