序章と2-1-4を交換してみました。
交換というか、ヨジャの独り言に触発されて書きたくなった過去篇を序章にしてみました。
時系列と今後の軸考えて。
当初の葵と炎の抱える母性の課題はちょっとおいとくことにします。
1-4ももう少し改稿が入って小分けにしながらその後出てくる形になると思います。
それにしても、執着をメインに書き始めたとたんに猜疑とか使ってたりするだから、わからないものだ。
恐れるものなど何もない。
私は己の心に誓った正義を貫くだけ。
己のためではない。万民のために。神界に暮らす、全ての民のために、私は己すらも投げ出そう。
彼らが戦火に怯え、犯罪に怯え、寿命待たずして死を向かえずともよいように、私が彼らの楯となり、罪を裁く矛となろう。
私は間違っていない。
私は誤ってなどいない。
この志は永遠。
たとえ、執着の炎に焼かれようとも、人々が己の命にしがみつかずともよい世の中を築けるのなら本望。
聞きたまえ、我が女神よ。
我が声よ、崇高なる女神の元へ届け。
正邪を測る天秤を持ちし、我が女神よ。今一度、我が声を聞き、その皿に我が罪と我が志とをのせて比べよ。
我が罪は罪にあらず。
我が心に誓いし理想の果てなり。
正義を貫きし我に罪を賜うとは誠に遺憾なり。
我は己に背かなかっただけ。我は己が誓いに背かなかっただけ。
我は、己の正義を全うしただけ。
我は潔白なり。
我が政道に怯える者は卑しき心根を持つ者のみなり。
なぜいたずらに我が正義を恐れる。
なぜいたずらに我が正義を疑う。
万民よ、なぜ己の記憶を疑う。汝らは穢れなき神界の民。生まれながら潔癖にして、罪を知らぬものたち。
なのになぜ、己の中に罪を探す?
我は神界の民を導く法王に仕える者。
正義と法を司る女神に膝を折りし者。
女神よ、聞きたまえ。
我が心に偽りなし。
我が正義に汚点なし。
全ての悪を排してこその穢れなき世界。
神界の掲げし理想郷とは、真白き世界ではないのか?
我は理想を実現しようとしただけ。
穢れゆく理想郷を真の姿に戻そうとしただけ。
なぜ、分かってもらえませぬ?
なぜ、その天秤は罪に傾くのでございましょう。
我が罪は、罪を犯したものを野放しにしておくことでございます。
人を殺め、人を傷つけ、人に害なす者を神界に息づかせておくことでございます。
何人も畏れることはないのです。
何人も己が良心に問う必要はないのです。
私が裁くは罪を犯したものだけ。罪を犯そうとしたものだけ。
人は潔癖であるべきなのです。
濁りなど抱えていてはいけない。濁りを抱えたものに、神界に住む権利などないのです。
ここは神の理想郷。
私は、理想郷の守り手。
間違ってなどはおりません。
私の正義は、神界の正義でございます。
私の正義を傲慢と呼ぶのなら、神界はすでに闇に堕ちているのでしょう。ならば余計、私は神界から悪を除かねばなりません。
たとえ、私自身が闇に堕ちたとて。
分かりますか?
なぜ私がこれほどまでに罪を憎むのか。
分かりますか?
なぜ、私がこれほどまでにこの世界に潔癖を望むのか。
この世は理想郷だと、私は信じて育ちました。
その私の目の前で、父は、母は、私を守って死にました。
黒い泥人形たちから私を庇って、赤い血を流して死んでいったのです。
隣の家では幼馴染の少女の家族が全員息絶えていました。
そのまた隣の家に住むいつもお菓子をくれた老婆も、最近赤ん坊が生まれたばかりの若夫婦の家も、全て黒い炎に包まれ、その中で人々は喘ぎながら死んでいきました。
果たして、あそこは神界であったのでしょうか。
あれこそが地獄。闇獄界の具象化した地だったのではないでしょうか。
私はあの町で唯一生き残りました。
火炎法王、貴女の率いてきた軍に助けられたのです。
死にたくないと震えていた私に、貴女は手を差し伸べ、言いました。
「すまない。必ず、死に怯えずともよい世界をつくる。それまでどうか、辛抱してくれ」
死に怯えずともよい世界。
誰も殺されない世界。
誰も傷つけられない世界。
私の理想は貴女の正義に基づいているのです。
思い出してください。
私の理想が罪だというのなら、絶対の正義を掲げる貴女もまた罪の塊なのです。
それでも尚、私を断罪するというのなら、私は今一度人界という世界に地獄を作り出しましょう。
貴女が、あの時私に語った理想を思い出していただくために。
ここまで来て、って全然進んでないけど、一応ラストまでのハードル作ったんだけど、やっぱり筆が乗らなくて、ためしに交換してみたら、うまく彼に重なった。
…書き直し…
風篇に切り替えるよりはましか…。
今が真冬で外は銀世界、こたつから出られない状況なだけに、本篇の真夏描写のキレがない(笑)
鏡幻のときは麗の国の真冬の描写に苦労したけど、夏に冬を見るのと、冬に真夏のクーラーきいた部屋を想像するのとはわけが違うみたいです。
何より制服半袖ですよ?
この寒いのに…想像しただけで体が冷える思いです。