「言うナヨ」
「言えませんよ」
「絶対だゾ」
「……帰ってくる気はないんですか?」
「……役立たずの姫ハ、この世界には居場所がナイ」
「今は魔法が使えない人なんて山ほどいますよ。鏡も使えませんし」
「可哀想にナ。さゾかし肩身が狭かロウ」
「それでも王様です。やめませんか、こんなこと。父さんも母さんも、今はもう新しい人生歩んでるんですよ」
「魔法石ト獄炎は紐付きダ。コウなるタメにワタシは父上ノ娘に生まレてキた」
「今はもう誰もあなたを役立たずの姫なんて呼ぶ人はいませんよ。……そんなになってまで役に立って見せたところで、誰もそうとは知らないままでしょう」
「錬が知っていればそれで十分よ」
「……姉さん……」
「負けルつモリもないガね。キヒヒヒヒヒヒ」
きっと錬は徹が容赦ない攻撃をする度に心を痛めている。
喋りそうになるのを一所懸命堪えている。
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